宅地建物取引業を開業するためには、国土交通大臣または都道府県知事から免許を取得する必要があります。
宅建業者が行う取引は、取り扱う商品(土地・建物などの不動産)が高額で、相手方も不動産に関する知識が乏しいことが多いなど、相手方保護の要請が高い取引です。
このことから、その事業を行うためには免許を取得しなければならないとされています。
宅地建物取引業の許可を申請するため基本的なステップは以下のとおりです。
1. 許可申請の準備
許可申請には、主に以下の条件をクリアする必要があります。
必要要件:
・専任の宅地建物取引士を設置
事務所ごとに1名以上の専任の宅地建物取引士が必要です。従業員5人につき1人の割合で設置します。
・欠格事由がないこと
申請者や役員が、過去に刑事罰を受けたことがある場合や、申請前に業務停止命令を受けている場合など、一定の条件で許可を得られないことがあります。
・営業保証金または保証協会への加入
宅建業者は営業保証金を法務局に供託するか、保証協会(宅地建物取引業保証協会など)に加入しなければなりません。
2. 必要書類の準備
申請に必要な書類を準備します。書類は非常に多岐にわたるので、正確に用意する必要があります。
主な必要書類:
・宅地建物取引業免許申請書
・法人の場合、登記事項証明書(商業登記簿謄本)
・法人の役員の住民票および身分証明書
・事務所の使用権限を示す書類(賃貸借契約書など)
・専任の宅地建物取引士の資格証明書(宅地建物取引士証)
・誓約書(欠格事由に該当しないことの確認のため)
各書類は様式が決まっているので、都道府県のウェブサイトからダウンロードします。
3. 申請書類の提出
必要書類が揃ったら、管轄の都道府県知事または国土交通大臣に対して申請を行います。
・1つの都道府県内で営業する場合:都道府県知事へ申請
・複数の都道府県で営業する場合:国土交通大臣へ申請
書類を提出する際には、手数料が必要です。手数料は都道府県によって異なりますが、数万円程度が一般的です。
4. 審査と免許の取得
申請が受理されると、書類の審査が行われます。審査には通常1~2ヶ月かかりますが、状況によってはさらに長くなる場合もあります。
審査を通過すると、宅地建物取引業免許が交付されます。免許は、5年間有効ですので、期限が切れる前に更新手続きを行う必要があります。
5. 営業保証金の供託または保証協会への加入
免許が交付された後、営業保証金を供託するか、保証協会に加入する必要があります。これにより、宅建業者がトラブルを起こした場合、消費者が保証金からの補償を受けることができます。
・営業保証金の供託
主たる事務所に1000万円、従たる事務所に500万円を法務局に供託します。
・保証協会への加入
営業保証金を供託する代わりに、保証協会に加入することで、供託金を支払う必要がなくなります。加入には、協会への入会金や年会費がかかります。
6. 免許の公告と営業開始
保証金の供託や保証協会への加入が完了したら、営業を開始できます。また、免許を取得したことを公告し、宅建業免許番号を事務所に掲示する必要があります。
まとめ
宅地建物取引業の許可申請には、以下の流れを踏む必要があります。
1. 必要条件を確認し、専任の宅地建物取引士を配置。
2. 必要書類を準備し、管轄の都道府県知事または国土交通大臣に申請。
3. 免許取得後、営業保証金の供託または保証協会に加入。
4. 免許の公告を行い、営業を開始。
また、宅建業を開業した後も、登録事項に変更があった場合には変更届の提出が必要です。
弊所では、新規の免許取得申請や変更届の作成を行わせていただきます。
お気軽にお問い合わせください。